第22回難病セミナーを開催しました!
今年の難病セミナーのテーマは、「難病を生きる」~療養のヒントをみつけよう~でした。
基調講演とパネルディスカッションを通じ、難病の患者さん、おひとりおひとり感じておられる困りごとや不安に対し役立つ、「療養のヒント」について考えました。また、センターの取り組みや患者会の活動紹介をしたパネル展示も行いました。
(1)基調講演
基調講演 『難病と生きる:「物語」とピアサポートから考える』
講 師 伊藤 智樹 先生(富山大学人文学部人文学科 准教授)
基調講演の中で伊藤先生は、病(やまい)の語(かた)り(=患者さん自身が難病という病をどの様に捉え、意味づけ、どのように他者に語っているのか)について社会学の立場から話されました。
「難病は修復困難な苦しみであるかもしれない。しかし、難病という苦しく絶望するような物語の主人公であるとき…同じ経験をした仲間の助けや支え(ピアサポート)があれば、より生き易い自分の物語を模索できることもあるのではないか。」と伊藤先生は話されました。
*こうち難病相談支援センターにも、あなたの物語をより良く紡ぐお手伝いをさせていただくため、同じ経験をした仲間(ピアカウンセラー)、難病相談支援員(専門職)がいます。まずは、あなたの思いを話してみませんか。
ヒント①:あなたの物語の聞き手として、伴走してくれる他者をみつけよう!
(2)パネルディスカッション
療養の中でも、特に治療や日常生活の場面におけるヒントとして、近森病院:公文義雄 医師、いずみの病院:中山裕恵 ソーシャルワーカーにご発言いただき、こうち難病相談支援センター:和田昌子 主任難病相談支援員も発言しました。先生方からいただいたヒントを紹介します。
☆近森病院糖尿病内分泌代謝内科/リウマチ・膠原病内科部長 公文義雄 医師
ヒント②:患者さんは何を言っても自由です。主治医に何でも聞いてください。医療者と患者がパートナーとなって寛解を実現していくには、「患者や家族はこうあるべき」という固定観念にとらわれず、納得ができるようにすることが大切です。
☆いずみの病院医療相談室 中山裕恵 ソーシャルワーカー
ヒント③:経済的なことや心理社会的な課題などについての相談に乗り、生活を組み立てる支援をする役割が医療相談室にはあります。難病を生きるには、寄せては返す波のような問題があります。その波に寄り添い受け止め、患者さんの荷物が軽くなるように働きたいと思っています。
☆こうち難病相談支援センター 和田昌子 主任難病相談支援員
ヒント④:ひとりで悩まず、難病相談支援センターを利用してください。あなたに合ったヒントを一緒に探しましょう!ヒントは患者さん自身の中にあることが多いですよ。
(3)パネル展示
患者会の活動報告やセンターの取り組みを紹介したパネル展示を行いました。多くの方に興味を持っていただき盛況でした。
基調講演をしてくださった伊藤先生がコラム連載されている機関紙のバックナンバーも配布しました。若干数残っておりますので、ご希望の方はセンターまでお越しください。